初めに #
Linuxシステムを運用・管理する中で、現在稼働しているカーネルバージョンを把握することは非常に重要です。
カーネルはOSの中心的な役割を担っており、バージョンによってサポートされる機能やセキュリティレベルが異なります。
本記事では、Linuxでカーネルバージョンを確認する基本的な方法についてわかりやすく解説します。
カーネルとは #
カーネル(Kernel)は、Linuxオペレーティングシステムにおいて、コンピュータのハードウェアとソフトウェアを仲介する中核的な役割を担っています。
Linuxカーネルは、1991年にフィンランド人のリーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)氏によって開発が開始されました。
現在では、世界中の開発者コミュニティによってオープンソース(OSS)として活発にメンテナンス・機能追加が行われています。
開発は主にC言語
で記述されており、一部アセンブリ言語
やRust言語
などが使用されています。
以下はカーネルの基本的な役割となります。
- ハードウェアリソースの管理
- プロセス管理
- メモリ管理
- デバイス制御
- ファイルシステム管理
- セキュリティとアクセス制御
以下はLinux kernel
のGitHub上の公式ミラーリポジトリとなります。
Linux kernel source tree
unemコマンド #
まず最も基本的な方法としてuname
コマンドを使った確認方法をご紹介します。
下記のように「-r」を指定する事でカーネルバージョンを確認する事ができます。
uname -r
下記はAlmaLinux8でunaemコマンドを使用して確認した例となります。
$ uname -r
4.18.0-477.21.1.el8_8.x86_64
上記の結果から「4.18.0
」バージョンが利用されている事がわかります。
「el8_8」はAlmaLinux8
系向けにビルドされたカーネルである事を示しています。
このようにuname
コマンドは素早くカーネルバージョンを知りたいときに非常に便利です。
/proc/version(仮想ファイル) #
より少し詳しく情報を確認したい場合は、Linuxの仮想ファイルシステム /proc
内にあるversion
ファイルを参照する事で確認が可能です。
このファイルには、カーネルのバージョンだけでなく、カーネルがどのコンパイラでビルドされたかや、ビルド日時、サーバーの詳細情報なども確認する事ができます。
下記のように「cat
」コマンドを使用し確認する事ができます。
cat /proc/version
下記はAlmaLinux8で/proc/version
ファイルを確認した結果の一例となります。
Linux version 4.18.0-477.21.1.el8_8.x86_64 (build@x86-vm-06.servername) (gcc (GCC) 8.5.0 20210514 (Red Hat 8.5.0-20)) #1 SMP Thu Sep 14 12:04:27 EDT 2023
この結果ではカーネルのバージョン情報に加えビルドに利用したコンパイラの情報やビルド日時、サーバー情報などが確認できます。